2005年08月11日

ハイスコア表示は、なぜ消えたのか[その3]

 「成功」したことにより「ご褒美」がある。

 これが、テレビゲームの基本構造です。「ご褒美」を得られるような「成功」をしたとき、わたしたちは「気持ちいい」と感じます。わたしたちがテレビゲームにハマる理由は、ここにあるのです。

 そんな視点で、「スペース・インベーダー」を見てみましょう。これは画面にいる55匹のインベーダーの全滅を目指すゲームです。全滅させると1面クリアとなり、次の面がスタート。つまり「全滅させる」ことにより、「より長くゲームをプレイする権利=ご褒美」が得られる、という構造になっていることがわかります。「インベーダーを倒すこと(全滅に近づけること)」が「成功」である、と位置づけられているのですね。


 あれ? それって「ブロック崩し」と同じじゃないの?
 すべてのブロックを消せばいい、という意味では同じ構造だよ!


 と思う人もいるでしょうが、ちょっと違うのですね。「ブロック崩し」では、「ミスしない」かぎり、延々とゲームを続けることができました。ブロックを消したかどうかとは関係なく、「ミスせずに打ち返す」ことが、「ゲームを続ける権利を獲得できる」ことに直結していたのです。だから、こちらでは「ミスせずに打ち返す」ことが、「成功」と位置づけられることになります。

 「スペース・インベーダー」は違います。55匹のインベーダーは、ゆっくりと接近してきます。最下段まで到達するとゲームオーバーなります。つまりタイムリミットが設定されているのです。「ミスしない」だけでは、いずれゲームが終わってしまうため、「より長くゲームをプレイする権利を得る」ためには、「敵を撃つ=全滅に近づける」ことが必要になっているわけですね。

 「スペース・インベーダー」には、タイムリミットがありました。だからこそ「敵を全滅させる」ことこそが「成功」として位置づけられ、それによって「ゲームを続ける権利を獲得できる」というご褒美が得られる――という構造になっているのです。わたしたちが、インベーダーを撃つときに「気持ちいい」と感じたのは、そのためです。

 「全滅」させることが「成功」である。

 これが「スペースインベーダー」が成立させた、まったく新しいフォーマットだったのです。そしてそれは、以降のテレビゲームの、基本フォーマットになっていくのです。




 さて。「スペース・インベーダー」が成立させた新しいフォーマットは、それだけではありません。もうひとつ、さらに革命的なフォーマットを成立させています。

 それが、ハイスコア表示です。

 「スペース・インベーダー」には、インベーダーを「全滅」させる以外にも、「より長くゲームをプレイする権利」を得る方法が、もうひとつ設定されていました。「スコアが一定値を越えると、砲台が増える」というルールが用意されていたのです。

 スコアが1500点に到達すれば、砲台が増えました。砲台が増えるということは、「より長くゲームをプレイする権利」を獲得したことにほかなりません。つまり「スペース・インベーダー」では、「スコアを稼ぐこと」も、「より長くゲームをプレイする権利を得るための、ひとつの成功である」と位置づけられているのです。

 ハイスコアという概念を持ち込み、そこに連動して「砲台を増やす」というご褒美を用意したことが、「スペース・インベーダー」というゲームが持つ、最大の歴史的価値といってもいいでしょう。

 なぜなら、それはテレビゲームの歴史において、「スコアを稼ぐこと」が「成功である」と位置づけられた瞬間だからです。

 「ブロック崩し」でスコア表示があったかどうかは印象に残っていなくても、「スペース・インベーダー」でスコア表示があったことを明確に記憶しているのは、このためです。



 「敵を撃つ」と「得点を稼ぐ」。「スペース・インベーダー」では、2種類の「成功」が用意されました。じつは、これは、とてつもなく革命的なことでした。タイムリミットのあるゲームの中で2種類の「成功」を存在させることは、とてつもないメリットをもたらしたのです。それは、その後のテレビゲームの基本形となりました。以降のテレビゲームの大半は、この構造をアレンジした亜流に過ぎないといってもいいほどです。

 さて。そのメリットとは、具体的には、どんなものだったのでしょう?


[この項、まだ後日に続きます]
posted by 野安 at 17:53| Comment(2) | TrackBack(5) | ハイスコア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最近、早く終わらせることが
現実的なご褒美に繋がるというゲームが
大ヒットしましたね

あらたな転換期を迎えているのでしょうか
Posted by @ at 2005年08月11日 22:36
「ブロック崩し」にも、スコアの意義とご褒美が用意されていましたよ。
400点を越えれば“再ゲーム”。
1クレジット追加です(再々ゲームは不可ですが)。
Posted by ちょい町 at 2005年11月12日 02:12
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