2005年08月30日

PCゲームの誕生[その1]

 テレビゲームの歴史とは、「面白さのエッセンス」を、受け継いていく歴史です。

 なぜなら、テレビゲームは、大衆のための娯楽商品だからです。大人気になったゲームがあるということは、そのゲームが持つ「面白さ」に共感した人が多いということ。その後、さまざまなゲームが世の中に登場したとしても、そのゲームが持っていた「面白さのエッセンス」を受け継いだ作品こそが、ふたたび多くの人の共感を得ていくことになるのです。

 ゲームの作り手が、同時にゲームの遊び手であることも、忘れてはいけません。彼らは、ゲームを「面白いっ!」と感じたからこそ、「同じように面白いもの」や、「より面白いもの」を作ろうと努力します。そして、自分が体験したゲームの「面白さのエッセンス」を引き継ぎ、より改良されたものを産み出していくのです。

 これは、テレビゲームにかぎった話ではありません。大衆向けの娯楽作品全般で、まったく同じことが起きていると思われます。大衆向けの娯楽作品では、過去の名作のエッセンスを引き継ぎ、改良・進化を重ねるという歴史が、積み重ねられることになるのですね。

 このBlogで、テレビゲームの歴史を追いながら、それぞれのゲームを年代順に説明しているのは、そのためです。ゲームを単体で眺めても、そのゲームが持つ歴史的価値は見えてきません。そのゲームの前には、どんなゲームがあったのか? どの部分が受け継がれ、どの部分が進化・発展しているのか? それらを洗い出すことでこそ、テレビゲームが、どのように進化・発展してきたかが見えてくると考えているのです。



 さて。8月8日(月)から、長期にわたって、「スペース・インベーダー」から始まった大衆向けテレビゲームの歴史を、ひも解いてきました。さまざまなゲームが、「スペース・インベーダー」が持っていた「面白さのエッセンス」を引き継ぎながら、環境に合わせて改良され、そして改良された部分のエッセンスを次のゲームに引き継いでいき……という手順を踏みながら、ファミコン初期の名作「スーパーマリオブラザース」へと進化していったことを、説明してきました。

 本来ならば、このまま歴史を追いながら、その後の人気ゲームについて、年代順に説明していくべきなのかもしれません。しかし、残念なことに、それは不可能です。1980年代半ば、テレビゲームに、ひとつの事件が発生するからです。

 おおげさにいうならば、それは、まったく違う文化を持つ2つの民族の激突でした。ファミコンという大地で、2つの民族が激突し、入り乱れるようになったのです。2つの川が、ファミコンという名の平野で合流し、さらなる大河になったのだ! と考えてもいいでしょう。



 そうなのです。現在、わたしたちが見ている「テレビゲームという名の大河」は、2つの源流を持っているのです。それぞれの源流から湧き出した水が、大きな川となり、それらが合流することによって作られているのです。

 なので、「スペース・インベーダー」から始まった、ゲームセンターを起点とするテレビゲームの歴史に関する説明は、ここで、いったん止めることにしましょう。

 わたしたちは、ふたたび時代を遡り、もうひとつの源流を探す旅に出発しなくてはなりません。時代は、1970年代に遡ります。

[この項、後日に続く]
posted by 野安 at 16:13| Comment(0) | TrackBack(0) | PCゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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